悩めるビジネスマンへ 部下のやる気を引き出す上司の勇気

   

前回にも部下への声掛けは上司から・・とお話しました。それは、上司の心が閉じていたら、部下に心を開いてもらうことはできないからだとお話しました。

早速、この記事を読んでくださった方からこんな声がありました。

この方は部下をもつ中堅管理職の方ですが、日々の業務の中で、部下へ声掛けをする、心を傾けてじっくり話を聴くことは、とても重要だと分かります。

しかしながら、分かってはいても、なかなか物理的にできないとのこと。一日中事務所にいないこともありますし、部下と顔を合わせるタイミングがないこともしばしばだと言うのです。

時間は作るもの

話を聴くことが大切だと理解はできるけれど、その時間がないことが大きいということなのですね。でも、ここで考えてみてください。コミュニケーションは「時間が余ったらできる」ものでしょうか?「時間を作ってやること」だと考えますね。

つまり、意識して作るということです。どんなにできる部下であっても、相談したい事は必ずあるはずです。

ましてや、職場において、暇な時間があるはずないですから、「時間を作ってやる」を習慣化することでしょう。むしろ、仕事の優先順位の必須項目に入れておくことや、曜日や時間を決めておけば、組織全体の思考習慣となり得るわけですね。

 

上司の指示がよく分からないまま・・

私は以前から、こんな事を多く耳にします。主に部下の立場の方からですが・・「どうして良いか分からない、あるいは上司の指示を何となく理解したんだけれど、よく分からないまま、上司は外出してしまい、今日はこのまま帰らない。とりあえずどちらに転んでも良いように、2通りの書類を作成してみた」・・というようなことです。

あまりにも、非効率で無駄な作業だと思いませんか?

小さな確認や相談をすれば、思い込みや思い違いの問題はすぐに解決できたはずですし、もちろん、仕事の効率は間違いなく数段上がります。

たった5分や10分の時間が、何十時間もの無駄な時間の節約になるとも考えられます。そして、心も身体も余裕が生まれてくると思いませんか?

 

積極的傾聴の勧め

時間を作って部下の話を聴くことが習慣化された後に課題になってくるのは、上司の部下の話の聴き方です。せっかく習慣化しても、聴き方が悪く効果がなければ継続していくことが難しくなってしまいます。

私があえて「聴く」と書いているのには理由があります。門に耳をつけて聞こえてくる話ではなく、心を傾けて聴く話のことなのですね。冒頭にもお話したように、上司の方がまず自分の心の扉を開くことが、部下に声掛けて話をじっくり聴くことのスタートです。

これはどんな人間関係においても共通しています。心の扉というのは、他人がどんなにこじ開けようとしても無理です。おそらく、心の扉の内側にしか取っ手が付いてないので、自らが開ける以外に方法はありませんね。また、部下にも心を開いて貰いたければ、上司がまず自分の心の扉を開くことです。

心を開くとは?・・じつは勇気が要ること

こんなことをお話すると、それは具体的にどんなことでしょうか?と尋ねられますが、それは自分の一番人間らしいところを素直に出すと言う事ではないでしょうか。

そんなことをしたら、部下に馬鹿にされると思う上司が多いですが、むしろ感情も出さずに完璧な人間を装おっても、それは逆効果で信頼されることはないと考えます。

本音を話したり、人間らしさを出すことは、とても勇気が要ることかもしれません。でもその勇気を出してくれたことを、部下はきちんと受け止めると思います。

カラーセラピーやカウンセリングの世界でも、ラポールと言って、信頼の架け橋が渡ってないままにセッションを行っても、クライアントさんが自己開示をすることは難しいです。まず、私という人間を分かって貰うことから関係は始まります。

上司が自分を開示していると、部下も心の内側を開いてくれるようになります。これが信頼関係となるわけですね。信頼関係ができれば、お互いの話に、共感することができますから、もっと話したい、そして聴いて貰いたいという気持ちが込み上げてくることでしょう。

時には上司と異見もあると思いますが、上下の立場を抜きにしても、意見を意見として、お互い納得いくまで話し合うことが可能だと考えます。それが信頼関係の上に成り立つコミュニケーションではないでしょうか。

 

 

 

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